中国Tencent Holdings(騰訊控股)のインスタントメッセージング(IM)サービス「Weixin(微信)」(英語名:WeChat)が提供を開始した音声通話アプリケーション「WeChat Phonebook(微信電話帳)」について、複数の米メディア(Wall Street JournalTechCrunchなど)が現地時間2014年11月12日に報じた。WeChatは世界で4億人以上のユーザーを抱えており、「中国の電話サービス会社にとって脅威になる」としている。

 WeChat Phonebookは、米Microsoft傘下のSkypeが提供しているようなVoIPアプリケーションで、iOS版とAndroid版が公開されている。Wi-Fiなどのデータ通信接続を介してWeChatユーザー同士で無償または安価で音声通話ができる。

 Wi-Fi接続では無料で通話ができ、携帯電話ネットワークを使った場合は1分当たり0.03~0.15人民元(約0.5~2.5セント)という。

 音声通話機能に加え、ボイスメール機能、アドレス帳機能も備え、「HD音質を提供する」としている。WeChatのグループチャットにも対応する。

 さっそく同アプリケーションを使ったユーザーからは、「通信が不安定で途切れがち」との苦情がSNS「Weibo(微博)」に投稿された。

 しかし、中国インターネット業界に関するブログメディア「China Internet Watch(CIW)」がテストしたところ、ユーザーの接続環境にもよるが、音質は中国の3大キャリアが提供する通話サービスに劣らないという。CIWは「3大キャリアは神経をとがらせているに違いない」と述べている。