アクロニス・ジャパンは2014年11月12日、企業のファイルサーバーをパソコンやスマートデバイスからDropboxのように使うためのゲートウエイサーバーソフトの新版「Acronis Access 7」(写真)を発表、同日販売を開始した。新機能として、Webブラウザーからファイルサーバーを閲覧するためのWeb画面を追加した。また、社員100人までの中小企業向けに、セキュリティ機能を絞った廉価版を用意した。

写真●Acronis Access 7でファイルサーバーアクセス用に追加したWeb画面
写真●Acronis Access 7でファイルサーバーアクセス用に追加したWeb画面
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 Acronis Accessは、“企業版Dropbox”を実現するファイル同期サーバーソフトである(関連記事:既存のファイルサーバーをDropboxのように使うソフト、アクロニスが販売)。大きく二つの機能、すなわち、(1)Dropboxのように、ローカルフォルダーとファイルサーバーを同期させる機能、(2)専用アプリケーションやWebブラウザーから社内のファイルサーバー(CIFS/NFS/SharePoint)にアクセスするゲートウエイ機能、---を提供する。

 今回の新版では、(2)のファイルサーバー閲覧機能を強化し、専用アプリケーションだけでなくWebブラウザー(HTML+JavaScript)からAcronis Accessを介してファイルサーバーにアクセスできるようにした。このためのWeb画面を新規に用意した。これにより、パソコンなどのように、専用アプリケーションがインストールされていない環境でもファイルサーバーにアクセスできるようになった。新版ではまた、カスタムアプリケーション開発用にWeb APIも公開した。

 今回さらに、中小企業向けに最大ユーザー数を100人に限定し、なおかつセキュリティ機能を省略した廉価版を用意した。製品名(エディション名)は、これまでのAcronis Accessの全機能を継承したエディションが「Acronis Access Advanced」で、今回の廉価版が「Acronis Access」となる。価格を抑えたことにより、2年継続利用時の1ユーザー当たりの費用は月額200円から400円程度で済む。

 廉価版で省略したセキュリティ機能の例として、他のアプリケーションへのファイルの受け渡しを制御する際に、アプリケーションをブラックリスト/ホワイトリストで指定できない。このほか、デバイスにダウンロードしたファイルの時限削除設定ができない、ファイルのメール添付/印刷やテキストのコピー&ペーストを禁止できない、など各種のセキュリティ機能を省略している。

 それぞれのエディションの価格(税別)は、以下の通り。上位版のAcronis Access Advancedは、単価が最も安くなる1万人以上の場合に1ユーザー当たり8500円、単価が最も高くなる250人以下の場合に1ユーザー当たり2万5000円。一方、廉価版のAcronis Accessは、25ユーザーで19万8000円、50ユーザーで29万8000円、100ユーザーで44万8000円。いずれのエディションも初年度保守費用を含んでおり、次年度以降の保守費用はライセンスの25%である。