米Appleが法人向け事業の拡大に向けて、かつてないほど積極的に攻勢をかけていると複数の海外メディア(米CNET米AppleInsiderなど)が英Reutersの報道を引用して現地時間2014年11月11日までに伝えた。

 Appleは、米Citigroupをはじめとする法人顧客を獲得するため、専門の営業要員を雇い入れたり、法人向けソリューションを提供する新興の開発企業と提携したりしている。同社がiOS向け法人アプリの開発や端末の販売で米IBMと提携すると発表してから数カ月がたった今、米Hewlett-Packard(HP)、米Dell、米Oracle、ドイツSAPなどのリーダー企業がいるこの分野に挑む計画が具体化してきたと、Reutersは伝えている(関連記事:AppleとIBMが企業分野で広範な提携、iOSアプリの共同開発など)。

 Reutersによると、Appleは専門の営業チームを企業に送り、最高情報責任者(CIO)と協議している。そのうち少なくともCitigroupとは契約提携に向けた協議を進めているという。

 また同社は、フィールドサービス管理ソフトウエアを手がける米ServiceMax、建設業向け設計図アプリを手がける米PlanGridなどの新興企業と緊密に協力し合っている。このうちServiceMaxとは共同で、顧客企業の担当幹部を招く夕食会を全米各地で開催している。こうした夕食会は過去1年に8回開催しているという。

 ServiceMaxの最高マーケティング責任者(CMO)によると、顧客の9割以上はすでにApple製品を使っている。また新規顧客は通常、数千台のiPhone、iPadを注文するという。このほかAppleはこれら新興企業以外の法人向けモバイルソリューション開発企業とも協議を行っており、より正式な協力関係を築こうとしているとReutersは伝えている。