写真●SamsungのGalaxy Note Edge
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 韓国Samsung Electronicsが、ベトナム北部のタイグエン省に新たなスマートフォンの工場を建設する計画だと複数の海外メディア(米Wall Street Journal英Reuters米CNETなど)が、現地時間2014年11月10日までに伝えた。

 Samsungは、すでにタイグエン省に20億米ドルをかけてスマートフォン工場を建設し、今年3月に操業を開始した。新工場は同じタイグエン省に建設するもので、同社は最大30億米ドルの投資額を見込んでいる。Samsungが同省計画投資局に投資の認可申請を行ったことを、同省の関係者がReutersに明かしたという。

 Samsung Electronicsは、世界のスマートフォン市場で出荷台数が最も多いメーカー。だがここ最近は中国やインドなどの新興国市場で地場メーカーの勢いが増しており、同社のシェアは減少している(関連記事:中国のスマホ市場、XiaomiがSamsung抜き首位に、2014年第2四半期Samsungはインド携帯電話市場で2位に後退、地元メーカーが初の首位に)。

 ベトナムで新工場建設の認可が得られれば、Samsungは生産能力を高められ、製造コストの低減と利益率の向上につながる可能性がある、とWall Street Journalは伝えている。同紙によると、ベトナム・タイグエン省の平均賃金は中国・北京の3分の1程度。こうして低コスト化を図ることで、同社は新興国向け低価格スマートフォンの市場で巻き返しを図るという。

 なお、Samsungは2009年からベトナム・バクニン省で携帯電話を製造している。また2014年7月には子会社のSamsung Displayが、同省でスマートフォン、タブレット向けディスプレイの工場を建設する認可を得た。こちらの工場の建設費用は、約10億米ドルだという。