写真●電波政策ビジョン懇談会第13回会合の様子
写真●電波政策ビジョン懇談会第13回会合の様子
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 総務省は2014年11月10日、新たな電波利用のビジョン策定を目的とした「電波政策ビジョン懇談会」の第13回会合を開催した(写真)。今回の会合では、これまでの議論を踏まえた最終報告書案を取りまとめた。

 同懇談会は7月の時点で中間取りまとめとして、周波数割り当てにおける事業者グループ性などの整理を行っている(関連記事:周波数割り当てでソフトバンクの意見を一蹴、総務省電波ビジョン懇談会)。中間とりまとめから最終報告書案で大きく追記されたのは以下の2点である。

 まず携帯電話などの移動通信システム向けに、2020年までに2700MHz幅程度の周波数帯を確保するという新たな目標値を定めた。従来は2020年までに200MHz幅を確保するという目標だった。

 もう1点は、最終報告書案の最終章に当たる第3章「電波利用を支える産業の在り方」を大きく加筆した点となる。こちらは前回会合で三菱総合研究所が示した電波関連産業の市場規模予測、2030年に84兆円(2014年時点で約37兆円)といった推計などを追記している。

6GHz以下で1950MHz幅、6GHz以上で23GHz幅を割り当て

 報告書案のメインと言える移動通信向けの周波数帯の確保は、携帯電話(IMT)用追加周波数帯を特定するITUの世界無線通信会議(WRC)の次回会合(WRC-15、2015年11月開催)が6GHz以下を議論の対象としていることから、6GHz以下、6GHz以上に分けて記載している。2020年までに2700MHz幅程度を確保としたのは、当面のターゲットとなる6GHz以下の周波数帯の枠である。

 現在、携帯電話などに割り当てられている周波数帯は700MHz帯/800MHz帯/900MHz帯/1.5GHz帯/1.7GHz帯/2GHz帯/2.5GHz帯の合計約610MHz幅である。また無線LAN用には2.4GHz帯/5.6GHz帯の合計約350MHz幅が割り当てられている(両者の合計で960MHz幅)。