写真1●FutureNet SA-200の外観
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写真2●FutureNet MA-360/Nの外観
写真2●FutureNet MA-360/Nの外観
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 センチュリー・システムズは2014年11月7日、センサーデータの収集などのIoT通信に適した920MHz帯の特定小電力無線を使う無線子機「FutureNet SA-200」(写真1)と無線親機「FutureNet MA-360/N」(写真2)を発表した。2014年12月に発売する。価格はオープンだが、参考価格は、子機のSA-200が3万円程度、親機のMA-360/Nが6万円程度。

 MA-360/NとSA-200は、920MHz帯の特定小電力無線を利用したセンサーネットワークを構築するための無線親機および子機である。親機のMA-360は、センサーネットワークとIPネットワークを仲介するゲートウエイとして機能する。IPネットワーク接続用に3G通信モジュール(FOMA)や1000BASE-T×2ポートを搭載する。一方、子機のSA-200は、シリアルポート(RS-232/RS-485)を介してセンサーデバイスを接続し、親機とセンサーネットワークを構成する。

 最大の特徴は、センサーネットワークとして、2.4GHz帯よりも電波到達性に優れ、400MHz帯よりも高スループットな規格である、920MHz帯の特定小電力無線を利用すること。2.4GHz帯の無線と比べると、スループットの面では劣るものの、通信距離が長い、回折性が高い、消費電力が小さい、---といった特徴がある。同じ2.4GHz帯を利用する無線LANやBluetoothなどの影響を受けることもない。一方で、既存規格である400MHz帯の特定小電力無線と比べると、スループットが高い。

 搭載している920MHz帯の特定小電力無線通信モジュールの主な仕様は、以下の通り。通信距離は、見通しで最大1キロメートル。スループットは100kビット/秒。最大送信出力は20ミリワット。消費電力(消費電流)は、送信時が31ミリアンペア、受信時が18.0ミリアンペア、待機時が1.0マイクロアンペア。

 親機のMA-360/Nは、CPUにARMコアを採用したLinuxボックスである。OSにはUbuntuのサブセット(Kernel 3.14以降)をプリインストールしている。apt-getコマンドを搭載しているため、これを介してアプリケーションの追加インストールが容易である。また、Javaアプリケーション開発/実行用にARM版のJava SE Embedded 8を搭載している。動作温度は、無人の環境や屋外での利用を想定し、摂氏マイナス20度から60度。また、使用しないときにスリープ状態になる省電力動作モードを備える。

 一方、子機のSA-200は、今後の展開として、防水きょう体に内蔵バッテリーを搭載したモデルの提供を予定する。SA-200本体の動作だけでなく、接続するセンサーに対しても電源供給が可能になる。