Macパソコン経由でiOS端末を狙うマルウエアが中国で見つかった件で、米Appleはマルウエア遮断のために対応していることを明らかにした。
Appleは、米Wall Street Journalの取材に答えるかたちで現地時間2014年11月6日に声明を発表。「当社は、中国ユーザーを狙う悪質なソフトウエアがダウンロードサイトから配信されているのを認識している。当社はマルウエアの活動を阻止するために、そのようなアプリケーションを特定し、ブロックしている」と述べた。
問題のマルウエアは、米セキュリティ会社のPalo Alto Networksが検出し、11月5日に公表した。「WireLurker」と名付けられた同マルウエアは、モバイル端末から情報を収集する機能を備える。
「Mac」パソコン向けアプリケーションに埋め込まれたマルウエアがまずMacにダウンロードされ、そのMacにUSB接続されているiOS端末に侵入する。バイナリーファイルの置き換えにより、すでにインストールされているiOSアプリケーションに感染する。
Palo Alto Networksによれば、ジェイルブレイクしていないiOS端末に感染するマルウエアが実際の環境で見つかったのはこれが初めてという。
同社は、中国サードパーティーストア「Maiyadi App Store」で配信されているMacアプリケーションの467種類にWireLurkerを確認した。これらアプリケーションは過去半年間で合計35万6000回以上ダウンロードされている。
Appleは声明の中で、信頼できるアプリストアが提供しているソフトウエアのみダウンロードするようユーザーに呼びかけている。