WOWOWの代表取締役社長の和崎信哉氏は2014年11月6日の定例会見で、10月末の累積加入件数について述べた。

 同社の9月末の累積加入件数は、錦織圭選手が活躍した全米オープンテニスなどを同月に放送したことにより、開局以来最高の276万3045件となった。WOWOWでは視聴契約成立日の翌月1日から視聴料が発生することになっており、9月の加入者が課金対象となる10月の累積加入件数の動向に注目が集まっていた。

 WOWOWは会見前日の2014年11月5日に10月末の累積加入件数を発表している。同月の新規加入件数は5万326件、解約数は6万1036件、累積加入件数は275万2335件(前月比1万710件減)となった。和崎氏は「大量加入のある月の翌月以降にはその反動として解約が出るのはこれまでの経験から分かっていたが、見込み数に比べると少なかった」と述べた。

 同社は解約の抑制策を10月に実施したという。営業などを担当する取締役の大高信之氏は、「例えば40歳代以上にはWOWOWで放送する洋画の視聴を勧めたり、それより下の年代にはサッカーの視聴を勧めたりするなど、年代別の抑制策を実施した。その結果、9月に加入した利用者の解約件数を抑制することができた」と説明した。

 今回の会見では、2014年10月からのオリジナルドラマの2ライン化に伴って開始した土曜日の連続ドラマ枠の現状についての説明も行われた。編成や制作などを担当する取締役の牧野力氏は、「この枠の視聴者の約7割が40歳代以上の女性」といい、日曜日の社会派サスペンスドラマの視聴者層(主に50歳代から60歳代の男性)とは異なる層が主な視聴者になっていることを報告した。和崎氏は、「これまでとは違うチャレンジをしたいと思い、ほんのりとあったかいテイストのドラマを放送することにした。WOWOWのドラマのターゲットを広げるという意味ではそれなりのスタートが切れたと思っている」と述べた。