米国の市場調査会社、eMarketerが現地時間2014年12月24日までにまとめた日本と韓国の広告市場に関する調査によると、両国の市場には成長鈍化が見られるものの、モバイル広告は今後も急成長が続くという。

 同社の推計によると2014年の日本における全メディア広告(オンライン広告、新聞/雑誌/テレビ/ラジオ広告、屋外広告、ディレクトリ広告)への支出額は399億5000万ドルで、前年比1.0%増と、小幅な伸びにとどまる。このうちオンライン広告への支出額は90億7000万ドルで、全メディア広告の22.7%を占める。この比率は2018年に27%近くにまで拡大すると同社は予測している。2018年におけるオンライン広告支出額の前年比伸び率は4.5%にとどまるが、ほぼ横ばいが見込まれるメディア広告全体の支出額に比べると成長速度は速いとしている。

 これに対し2014年におけるモバイル広告への支出額は25億9000万ドルで、前年比35.0%増。これが2015年は同30.0%増となり、伸び率はその後も20%以上を保つとeMarketerは見ている。また2014年におけるモバイル広告のオンライン広告に占める比率は28.6%で、この比率は2018年に59.6%に拡大するという。

 一方、韓国市場を見ると、2014年の全メディア広告の支出額は97億4000万ドルで、日本の約4分の1の規模。その前年比伸び率は3.5%で、今後の伸び率は2%台半ばにとどまるという。

 2014年における同国のモバイル広告支出額は9億6000万ドルで、日本の4割弱。だがその前年比伸び率は120%と、成長速度は日本よりも速い。この伸び率は2015年も60.0%と高い水準を保つと同社は予測する。また、モバイル広告のオンライン広告に占める比率は2014年時点で38.4%。これが2018年には73.2%になるとしている。

[eMarketerの発表資料へ]