図● 国内ソフトウェア市場予測: 2014年~2019年
図● 国内ソフトウェア市場予測: 2014年~2019年
(出所:IDC Japan)
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 調査会社のIDC Japanは2015年12月22日、国内のソフトウエア市場に関する調査結果を発表した。2015年上半期(1~6月)の市場規模は前年同期比4.6%増の1兆3232億8900万円と堅調に推移した。同社は2015年通期の市場規模を前年比4.2%増、2016年を同4.5%増と予測。2014年~2019年の年間平均成長率(CAGR)を4.2%と分析し、2019年には3兆1147億円にまで達すると予測した()。

 同社は国内のソフトウエア市場の動向について、2014年上半期にあったWindows XPサポート終了特需と消費税増税前の駆け込み需要の反動減が比較的軽微であったと指摘。大分類市場別では、アプリケーション市場が前年同期比3.9%増、アプリケーション開発/デプロイメント市場が同5.9%、システムインフラストラクチャ市場が同4.5%と、いずれの市場も堅調だった。最も成長率が高いアプリケーション開発/デプロイメント市場では、データアナリティクス需要の高まりによって、ビジュアライゼーションBI(Business Intelligence)ツールやクラウド型データベースサービスが高い成長を見せているという。

 大分類市場別の2014~2019年のCAGRも分析した。アプリケーション市場が3.1%、アプリケーション開発/デプロイメント市場が5.6%、システムインフラストラクチャ市場が4.5%と予測した。アプリケーション市場では、企業においてデジタルトランスフォーメーションが進むことで、コグニティブシステムやデジタルマーケティングに関連したソフトウエアやクラウドサービスの急速な成長が見込まれるという。

 同社はアプリケーション開発/デプロイメント市場ではデータアナリティクス関連の高成長が続くと指摘。デジタル化の進展によってSoE(Systems of Engagement)領域におけるPaaS(Platform as a Service)の採用が拡大するという。システムインフラストラクチャ市場では、サイバーセキュリティ対策やマイナンバー制度への対応に向けセキュリティソフトウエア需要の拡大や、クラウド基盤構築/管理ソフトウエアの導入の増加が市場成長をけん引していくと分析している。

 今後の動向についても予測した。2016年からは第3のプラットフォーム上でデジタルトランスフォーメーション(DX)の動きが台頭すると指摘。DXはアプリケーション開発に変革をもたらし、ソフトウエアベンダーには、従来の重厚長大な統合型パッケージではなく、ソフトウエアやクラウドサービスを通じて細かいコンポーネントを迅速に提供していくことが求められるようになるという。同社では、ソフトウエアベンダーはDXをソフトウエアビジネス戦略の中核に据え、既存のビジネスや製品にとらわれずに、DXのあらゆるビジネス機会の可能性を探っていくことが重要であると指摘している。

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