調査会社のIDC Japanは2015年12月21日、国内レーザーMFP(複合機)市場、国内レーザープリンター市場、国内インクジェットプリンターに関する調査結果を発表した。

 国内レーザーMFPについて、2015年第3四半期(7〜9月期)の出荷台数は前年同期比1.2%減の18万台にとどまった(図1)。一方、カラーレーザーMFPは同2.7%増の13万8000台に拡大。これは、大手コンビニエンスストアチェーンのA3カラーレーザーMFPの置き換えを行う大型案件の出荷が継続したためという。モノクロレーザーMFPは同12.0%減の4万2000台に減少した。

図1●国内レーザーMFPの出荷台数推移
図1●国内レーザーMFPの出荷台数推移
出所:IDC Japan
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 同社は、2015年第3四半期の動向について、大手コンビニエンスストアチェーンの大型案件向けの出荷が増大という特殊要因があったと指摘。しかし、それがあっても前年同期比で若干の減少となった。同社は、国内景気は現在、緩やかな回復傾向にあるものの、レーザーMFPの出荷台数増にはつながらなかったと分析した。

 同社は、ベンダー別の出荷台数シェアも調査。それによると、富士ゼロックス、リコー、キヤノンが大きなシェアを維持。この3社にシャープ、コニカミノルタ、ブラザー工業、京セラドキュメントソリューションズを合わせた上位7社で国内レーザーMFP市場の90%以上のシェアを占めているという。

 また同社は、2015年第3四半期の国内レーザープリンター全体の出荷台数も発表。それによると、18万1000台と2014年第3四半期の22万4000台から19.1%の減少となった(図2)。モノクロレーザープリンターの出荷台数は、同18.7%減の12万5000台、カラーレーザープリンターは同20.2%減の5万6000台で、カラー、モノクロレーザープリンターの両方ともに20%近くの大きな減少を記録した。

図2●国内レーザープリンターの出荷台数推移
図2●国内レーザープリンターの出荷台数推移
出所:IDC Japan
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 同社では、国内景気は現在、緩やかな回復傾向にあるものの、マイナンバー制度への対応など、一般企業の投資意欲がレーザープリンター以外の分野に移っていると指摘。レーザープリンターのリプレース需要全体に影響が表れたものと分析している。

 同社はインクジェット製品の総出荷台数も調査している。それによると、同5.1%減の113万8000台にとどまった(図3)。総出荷台数の内訳は、インクジェットプリンター(単機能製品)が同9.8%減の14万台、インクジェットMFPが同4.5%減の99万8千台。インクジェット製品に占めるインクジェットMFPの比率は87.7%と、前年同期比でほとんど変化はなかったという。

図3●国内インクジェット製品の四半期別出荷台数と前年同期比成長率の推移
図3●国内インクジェット製品の四半期別出荷台数と前年同期比成長率の推移
出所:IDC Japan
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