図●2014年第3四半期 世界HCP市場 出荷台数上位5ベンダーの市場シェア推移
図●2014年第3四半期 世界HCP市場 出荷台数上位5ベンダーの市場シェア推移
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 調査会社のIDC Japanは2014年12月19日、世界HCP(ハードコピーペリフェラル:プリンター、複合機、コピー機など)市場に関する調査結果を発表した。第3四半期(7~9月)の出荷額は前年同期比3.5%増の149億ドルに達したが、出荷台数は同2.3%減の2750万台となった。

 世界最大の市場の一つであるヨーロッパでは、18カ月連続で出荷台数が前年同期の水準を上回った。要因は、カラーレーザー複合機の需要が好調なこと。一方で、インクジェットも引き続き前年同期比で増加となったものの、家庭向けの需要は低迷。企業向け市場が力強さを取り戻しているという。

 IDCによると、出荷台数上位ベンダーのうち、前年同期比プラス成長を実現したのは、発展途上地域で業務拡大するエプソンと、米国やヨーロッパなどの先進諸国において収益を拡大したサムスンの2社のみ。リコーはレーザー市場での成長が目覚ましく、2010年第1四半期(1~3月)以降、毎四半期、前年比増を続けている()。

 またIDCは、世界のHCP市場の主な動向についても分析。それによると、インクジェットとレーザーでは、カラーレーザ―の出荷台数が同4.6%増の200万台近くに達した。単機能と複合機では、単機能プリンター市場が同6.2%の縮小したが、複合機市場はほぼ横ばい。

 カラーレーザーとモノクロレーザーの動向では、カラーレーザーがHCP市場全体に占めるシェアが同1ポイント増加の19.3%となった。モノクロレーザーのシェアは1ポイント減少の80.7%。同社では、世界のHCP市場はモノクロからカラーに切り替わり、レーザーなど高速プリントへのシフトが加速していると指摘する。

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