米eMarketerが現地時間2014年12月16日に公表した推計によると、2014年における世界のオンライン広告支出額は1460億ドルとなり、前年比で20.5%増える見通し。オンライン広告収入が最も多いのは米Googleで、同社の市場シェアは31.10%。このあと米Facebookの7.75%、中国Baidu(百度)の4.68%、中国Alibaba Group(阿里巴巴集団)の4.66%が続くとしている。

 このうち、Googleのシェアは前年から0.45ポイント減少する見通し。一方、Facebookは同2ポイント増え、BaiduとAlibabaはそれぞれ同0.94ポイント、同0.68ポイント増えるとeMarketerは推計している。Facebookのシェアの伸びはeMarketerが集計した上位16社の中で最も高い。またBaiduとAlibabaのシェアの伸びはFacebookに次ぐ高い水準という。

 eMarketerがまとめた企業別オンライン広告収入ランキングには、9位に中国Tencent(騰訊)が、14位に中国Sina(新浪)が入っている。この2社とBaidu、Alibabaを加えた中国4社の合計シェアは前年から1.84ポイント増の10.55%となる。

 また、AlibabaとBaiduはモバイル広告の分野で市場に及ぼす影響がより大きいと、eMarketerは指摘している。推計によると2014年における世界のモバイル広告支出額は402億ドル。こちらはAlibabaのシェアが前年の1.6%から6.2%に、Baiduのシェアが同2.6%から5.1%に拡大するという。

 AlibabaとBaiduはともに急成長する中国のモバイル広告市場を背景に広告収入を伸ばしている。推計によると、中国のモバイル広告支出額は今年、前年比600%増の約64億ドルとなる見通し。同国のモバイル広告市場の規模は英国、日本を上回り、米国に次いで世界2位になるとeMarketerは予測している。

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