図●国内IT市場の企業規模別支出額予測（2014年～2019年）
出所：IDC Japan
[画像のクリックで拡大表示]
調査会社のIDC Japanは2015年12月10日、国内のIT市場に関する調査結果を発表した。それによると、2015年の国内企業のIT支出は総額で前年比0.1％増の14兆7837億円とほぼ横ばいとなると予測した。2014年は、PC更新需要や大手金融機関などの大型案件によってIT市場が拡大したが、それらがひと段落した形だ。
産業分野別、企業規模別のIT支出動向も分析。産業分野別では通信／メディアおよび消費者を除き、すべての産業でプラス成長が見込まれるという。とりわけ、銀行、製造業、小売業、運輸業、サービス業が堅調で、これらの分野でのIT支出が2016年以降も堅調に推移すると予測した。
企業規模別では、大企業（従業員規模1000人以上）の2015年のIT支出を同1.0％増の7兆655億円と分析。同2014年～2019年の年間平均成長率（CAGR）を2.0％と予測し、引き続き大手企業が国内IT支出をけん引すると指摘した（図）。
一方、他の企業規模と比べ成長が鈍化するのが小規模企業（1～99人）で、2015年は同0.5％のマイナス成長で、2014年～2019年のCAGRも1.2％と予測した。消費税増税対応や、円安による原材料価格高騰の影響を受け、業績が減速する小規模企業が増加していることを反映しているという。
中堅企業（500～999人）の2015年のIT支出は同1.0％増、中小企業（100～499人）は同0.8％増と、いずれもプラス成長と分析。2016年以降は、中堅中小企業の業績回復に伴い、システム更改のほか、新規のシステム案件が増加すると分析している。
［IDCの発表資料へ］
