シンクタンクの富士キメラ総研は2015年12月9日、法人向けのネットワークセキュリティサービスとネットワークセキュリティ製品の国内市場に関する調査結果を発表した。それによると、2015年度の法人向けネットワークセキュリティサービス/製品の国内市場は4232億円に達する見込みで、2020年には2014年度比32.6%増の5241億円にまで拡大すると予測した。

 同社では、サービスと製品の市場別にも調査。それによると、サービスは2015年度に1645億円、2020年度には同35.4%増の2073億円に達する見込み。製品は、2015年度に2587億円、2020年度には同30.9%増の3168億円に拡大するという。

 同社では、2020年度の製品市場の内訳についても調査した。ソフトウェアが48.1%、SaaSが9.8%、アプライアンスが42.1%に達するという。SaaSは「イニシャルコストが低い」、「導入までの期間が短い」、「運用管理のコスト低減できる」などのメリットから急成長し、2014年度の内訳と比較するとその構成比が倍増すると指摘。一方、ソフトウェアは端末セキュリティ、IDセキュリティなどの関連製品を中心に拡大するという。

 また、同社はセキュリティのカテゴリー別の市場動向も分析。それによると、ゲートウェイセキュリティでは、DDoS攻撃対策サービス、DDoS攻撃対策ツール、標的型攻撃対策ツールが好調。標的型攻撃対策ツールは、近年、標的型攻撃による情報漏えい事件の多発を契機に、対策を進める企業で導入が進んでいるという。

 今後、大手企業、官公庁などへの標的型攻撃がさらに増加すると懸念されることから、市場は大きく拡大すると予測した。メールセキュリティサービスは、セキュリティの人員を確保できない中堅・中小企業を中心に導入が進むと指摘。Webセキュリティについては、Webアプリケーションの脆弱性を突いたサイバー攻撃が増加し、情報漏えい事件が多発したことから、その対策としてWebアプリケーション脆弱性検査サービス、Webアプリケーションファイアウォール、WAF運用管理サービスが増加していると分析している。