図●回線種別契約数の実績
図●回線種別契約数の実績
(出所:MM総研)
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 シンクタンクのMM総研は2015年12月8日、国内のMVNO市場に関する調査結果を発表した。2015年9月末の総契約回線数は前年同期比88.9%増となる3642万回線にまで増大した()。MVNO市場は、2013年3月末に初めて1000万回線を突破し、その後も増加傾向が継続。同社では、2016年3月には4000万回線突破が確実と予測した。

 同社は、回線種別の調査結果も発表した。携帯電話(3G/LTE)が1065万回線でシェア29.2%、BWA(WiMAXおよびAXGP)が2567万回線で同70.5%、PHSが10万回線で同0.3%。2015年3月末時点に引き続き、BWAカテゴリが最多となった。

 一方、同社は、独立系MVNO事業者がSIMカードを活用し、独自の料金プランで提供する独自サービス型SIMの回線契約数についても調査。それによると、2015年9月末で405万8000回線に拡大した。2014年9月末時点では230万5000回線だったので、1年間で回線数は76.1%増加したことになる。ただ、同社は、MNOでもあるMVNOを含むMVNO市場全体から見た構成比は11.1%とまだ少ないと指摘している。

 これまで国内で流通するSIMフリー端末は、海外メーカーのローエンドモデルが主流だったと分析する。ところがここにきて、富士通やシャープ、京セラといった大手国内メーカーからミドルレンジの端末が相次いで発売され、海外メーカーでもASUSやファーウェイを中心にミドルレンジの端末がヒットしていると指摘。販売チャネルでも、大手家電量販店の取扱規模が拡大したという。訪日外国人の増加にともない、利用期間・利用可能容量が限定されたプリペイドSIMの販売数も増加し、2015年4-9月期では約40万枚が販売されたという。同社は2020年のオリンピックへ向けて、さらなる需要の拡大が期待されると分析している。

 2015年度下期も個人向け需要を中心に、独自サービス型SIMの市場は拡大するとみる。2016年3月末には510万回線に達すると分析した。2016年度下期からは、IoT(Internet of Things)分野における法人向け需要が活発化すると見込まれ、個人/法人ともに引き続き需要は旺盛という。同社では独自サービス型SIMの市場は、2017年3月末までに770万回線に成長すると予測している。

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