米eMarketerが現地時間2014年12月4日に公表したモバイル広告市場に関する調査によると、米国における2014年のモバイル広告支出額は前年比78%増の189億9000万ドルとなる見通し。これが2015年には同50%増の284億8000万ドルに、2016年には同41%増の401億6000万ドルに達すると予測している。

 推計によると、2014年における米Yahoo!のモバイル広告売上高の市場全体に占める比率(シェア)は3.18%で、米Twitterに次ぎ4位となる。だが2015年にYahoo!のシェアは3.74%に上昇し、Twitterの3.69%を上回るという。Yahoo!のモバイル広告シェアがTwitterを上回るのは初めてで、そのシェアは2016年に4.19%へと、さらに拡大するとeMarketerは見ている。

 eMarketerによると、過去2年にわたりYahoo!は利用者の拡大と既存利用者の保持に努めてきた。その努力がようやく効果を生むという。米国のモバイル広告市場は、米Googleと米Facebookが今後もそれぞれ30%台と10%台のシェアで、1位と2位を維持する見通し。一方Yahoo!のモバイル広告の2014年から2016年までのシェアの伸び率は、eMarketerが調査対象にしている企業の中で最も高いという。

 ただし、eMarketerのシニアアナリスト、Martin Utreras氏によるとYahoo!は安閑としてはいられない状況だ。2014年における米国モバイルディスプレイ広告の市場全体の売上高は約96億5000万ドル。このうち、Yahoo!のシェアはわずか1.9%にとどまる見通しである。2015年にはこれが3.6%とほぼ倍増するものの、それでもTwitterや、米Pandora Media、米AppleのiAdを下回ると、eMarketerは予測している(関連記事:Yahoo!決算、AlibabaのIPOで利益が23倍に、ディスプレイ広告は不調)。

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