シンクタンクの矢野経済研究所は2015年12月4日、国内のBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)市場に関する調査結果を発表した。同社は、発注企業からシステム運用管理業務を委託されて代行するIT系BPOと、その他の業務を委託され代行する非IT系BPOに分けて市場規模を分析した。それによるとBPO全体の2013年度から2019年度の市場規模は、年平均成長率(CAGR)2.4%で推移し、2019年度には、4兆426億円(事業者売上高ベース)に達するという。

 同社では、IT系BPOと非IT系BPOの分野別でも調査した。IT系BPO市場の2013年度~2019年度の年平均成長率(CAGR)は3.4%になる。2019年度には、2兆3700億円(事業者売上高ベース)にまで拡大すると予測した。同社では、IT系BPOは参入障壁が高いため高単価でのサービス展開を比較的維持しやすいとしている。また、非IT系BPOサービスの導入と同時にIT系BPOが導入されるケースも増えているという。

 一方、同社は非IT系BPO市場の2013年度~2019年度の年平均成長率(CAGR)を1.1%と見込んでいる。2019年度には、1兆6726億円(事業者売上高ベース)に達する予測をした。同社は、2015年度は、企業においてマイナンバー対応業務が発生することが想定されるとしており、既に様々なBPO事業者がマイナンバー対応サービスを提供しているという。同社では、2015年度~2016年度にかけて、マイナンバー対応BPOサービスの導入に踏み切る企業が増えるとしている。

 なお、同社ではBPOについて、企業内部にて行われるシステム運用管理業務やコールセンター系業務、総務や人事、経理などの間接部門系業務、購買・調達、直接部門系業務(購買・調達、営業、コア部門単純業務、業界固有業務)などの業務を発注企業から業務委託を受けて代行するサービスと定義している。

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