英Kantar Worldpanelが現地時間2014年12月3日に公表したスマートフォン市場に関する調査結果によると、米Appleの「iPhone」の同年8~10月期における販売台数シェアは、世界の主要市場のほぼすべてで上昇した。9月19日に販売を開始した「iPhone 6」「同6 Plus」が寄与したという。

 8~10月期におけるiPhoneのシェアは米国で41.5%、オーストラリアで40.4%、日本で48.0%と、いずれも40%を上回った。このうち米国とオーストラリアは前年同期比でそれぞれ0.7ポイント、5.4ポイント増えた。日本は同13.1ポイント低下したが、これは「iPhone 5s」と「同5c」を発売した直後の昨年8~10月のシェアが61.1%と著しく高かった反動。iPhoneのシェアは今年6~8月期の27.1%からは大きく上昇している。また日本の今年8~10月期のiPhoneのシェアはKantar Worldpanelが調査した9カ国の中で最も高い。

 欧州5カ国(英国、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン)におけるiPhoneのシェアは20.7%で、前年同期から5.9ポイント増えた。このうち英国におけるシェアは同10.4ポイント増の同39.5%となり、iPhoneは同国で過去最大のシェアを獲得した。

 なお英国のiPhone購入者のうち、86%が旧モデルからの買い替えで、韓国Samsung Electronics製端末からの乗り換えはわずか5%にとどまった。また英国の消費者がiPhone 6シリーズを購入した理由には、4G対応(51%)、画面サイズ(49%)、デザイン(45%)といったものが挙げられた。英国ではiPhone 6と同6 Plusの販売比率は4対1だった。

 一方米国におけるiPhone 6と同6 Plusの販売比率は3対1。Kantar Worldpanelによると、6 Plusの購入者はiPhone 6の購入者よりも年齢が高い傾向にあるという。

 このほか中国市場を見ると、同国のiPhoneのシェアは15.7%で前年同期から0.2ポイント増えた。中国では10月17日にiPhone 6と同6 Plusの販売が始まったため、ほかの国に比べて販売日数が少ないが、iPhone 6は10月の機種別販売ランキングで3位になった。ただし同国ではXiaomi(小米科技)が29.9%のシェアで首位を維持している。同社の5.5インチスマートフォン「Redmi Note」は10月の機種別販売ランキングで1位となった。

[Kantar Worldpanelの発表資料へ]