図●金融業の業種別タブレット導入状況
図●金融業の業種別タブレット導入状況
(出所:IDC Japan)
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 調査会社のIDC Japanは2015年12月3日、国内の金融業界向けタブレットソリューション市場に関する調査結果を発表した()。それによると、2015年の市場規模は1734億円に達した。同社では、2014年~2019年の同市場の年間平均成長率(CAGR)を13.2%と分析。2019年には3142億円にまで拡大すると予測した。

 同社は、タブレットソリューション市場を、タブレット端末本体、およびその導入に付随する付帯設備、アプリケーション、サービス、保守費用などを含む市場とし、タブレット端末の出荷台数に関する調査も実施した。それによると、2015年の金融業界向け出荷台数は約14万台に達し、2019年には30万台を超えると予測した。同社では、2014年~2019年の年間平均成長率(CAGR)を23.0%と分析している。

 金融分野では、Finance(金融)とTechnology(IT)を合わせた技術革新である「FinTech」が注目されている。例えば、FinTechの代表的な事例であるモバイルアプリケーションを利用したバンキングサービスでは、ユーザーの利便性を向上させるとともに、時間、場所を問わず銀行業務が行えるようになる。同社では、こうしたFinTechが金融業界における店舗営業のあり方について、見直しを迫り、銀行業務に大きな変革をもたらすと指摘している。

 このように第3のプラットフォームの4本柱の1つであるモバイルは、金融業に大きな影響を与えるという。また、銀行業、保険業、証券/その他の金融業で、「タブレットは必要ない」との回答は非常に少なく、平均すると全体の3.0%程度だったという。「導入済」あるいは「導入したい」と肯定的な回答が大半を占め、金融業では社外だけでなく、社内向けのタブレット端末の導入についても肯定的な意見が多かったと分析した。ただし、金融業の中でも銀行業は、BYOD(Bring Your Own Device)を採用している割合が低く、保険業と証券/その他の金融業とは異なるという。

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