米IDCが現地時間2014年12月2日に公表したアジア太平洋地域(日本を除く、以下同様)における同年第3四半期(7~9月)のスマートフォン出荷台数は前年同期に比べ24%増え、前の四半期に比べ6%増えた。ただし、この出荷台数の伸び率は過去数年と比較し低下している。同地域最大の市場である中国が急成長時代の終わりを迎えていることがその要因という。

 同年第3四半期の中国におけるスマートフォン出荷台数は、第2四半期から1%の増加にとどまった。これに対し中国以外の新興国は同22%増加している。

 同社はアジア太平洋地域のスマートフォン市場を、成熟市場(オーストラリア、ニュージーランド、韓国、シンガポール、香港、台湾)と、新興国市場(中国、インド、インドネシア、マレーシア、フィリピン、タイ、ベトナムなど)に分けて調査している。

 このうちインドの第3四半期における出荷台数は2300万台となり、第2四半期から約500万台増えた。インド市場はアジア太平洋地域の中で最も成長率が高いという。Micromax Informatics、Lava Internationalをはじめとするインドの地場メーカーは、画面サイズが4.5~5インチ、価格が約100ドルの端末で出荷台数を伸ばしている。これによりインドで首位のMicromax Informaticsは第3四半期に同国で20%のシェアを獲得し、2位との差を広げた。

 またアジア太平洋地域におけるそのほかの新興国も出荷台数の伸び率が高く、その第3四半期の合計出荷台数は2300万台に達した。とりわけタイ、フィリピン、インドネシアの出荷台数は前年同期のほぼ2倍になった。これらの国は東南アジア市場のけん引役だという。

 IDCによると、各国の地場メーカーや中国のメーカーは、世界ブランドを展開する大手メーカーのシェアを奪っている。その傾向は東南アジアで顕著だという。東南アジアにおける大手メーカーの第3四半期におけるシェアは43%となり、前年同期の62%から大きく低下した。

 アジア太平洋地域における同年第3四半期のメーカー別出荷台数を見ると、韓国Samsung Electronicsが16%のシェアでトップ。このあと中国Xiaomi(小米科技)の10.4%、中国Lenovo Group(聯想集団)の9.1%、中国Huawei Technologies(華為技術)の6.6%、中国Oppo Mobile Telecommunications(広東欧珀移動通信)の5.7%と続いている。

 このうちSamsungの出荷台数は前年同期比20.3%減で、唯一前年割れとなった。一方、Xiaomiの出荷台数は同210.2%増と、上位5社の中で最も高い。

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