米IDCが現地時間2014年12月1日に公表したスマートフォン市場に関する調査によると、2014年の世界における出荷台数は前年から26.3%増加し、12億8800万台になる見通し。これが2015年には同12.2%増の14億台となり、4年後の2018年には19億台に達すると同社は見ている。

 ただし2014年から2018年までの年平均成長率(CAGR)は9.8%と、伸びが鈍化するという。また出荷台数に平均販売価格を乗じて推計した売上高は、2018年までの年平均成長率が4.2%にとどまる見通し。スマートフォンの普及率は高まっており、今後も価格下落が進むことから、市場成長は抑制されるとIDCは見ている。

 同社が予測する2014年のOS別出荷台数は、「Android」が10億6000万台で、その市場シェアは82.3%。「iOS」は1億7800万台でシェアは13.8%、「Windows Phone」は3500万台でシェアは2.7%。AndroidとiOSのシェアは2018年にそれぞれ80.0%と12.8%に低下し、Windows Phoneは5.6%に拡大するとIDCは見ている。

 一方で同じ期間のOS別の売上高シェアは、Androidが66.6%から60.9%に低下、iOSは30.4%から33.8%に拡大、Windows Phoneは2.0%から4.2%に拡大するとの予測だ。

 IDCのリサーチマネジャー、Ramon Llamas氏は「出荷台数の伸びが鈍化するのに伴い、今後は売上高が注目されるだろう」と述べている。「Appleは出荷台数シェアが低下するものの、高価格端末というアプローチが売上高シェアを押し上げる。Androidは新興国市場でさらに普及が進むものの、売上高シェアは下がる」(同氏)という。

 またIDCのシニアリサーチマネジャー、 Melissa Chau氏は、中国の新興メーカーの動きが低価格帯分野で世界に影響を及ぼす、と述べている。同社によると2014年における端末の世界平均販売価格は297ドル。これが2018年には241ドルにまで下がる見通し。またインドをはじめとする新興国の平均販売価格は2014年の135ドルから、2018年には102ドルに下がるという。

 これに対し、成熟国市場の平均販売価格はあまり変化しない。ただし、成熟国では出荷台数が緩やかな伸びにとどまるため、売上高が大きく伸びることはないという。これと同時に旗艦モデルの世代間の機能の差が徐々に小さくなっていくと同社は予測している。

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