図●JOCの海外ITサービス支出額予測:2013年~2019年
図●JOCの海外ITサービス支出額予測:2013年~2019年
出所:IDC Japan提供
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 調査会社のIDC Japanは2015年12月1日、国内企業の海外向けITサービス支出に関する調査結果を発表した()。2014年の支出額は56億6470万ドルに達すると推定した。同社は、海外向けITサービス支出は、ASEANなど新興国向けを中心に増加傾向にあると指摘。今後、年間平均成長率(CAGR)3.4%での成長が続くと分析し、2019年には66億9190万ドルにまで拡大すると予測した。

 同社は、国内に本社を置く企業(Japan-originated Company:JOC)の海外向け事業は、中国の経済減速や円安による製造拠点の国内回帰などの影響があるものの、引き続き拡大傾向にあると指摘。JOCの海外におけるIT投資、SI(システムインテグレーション)やアウトソーシングなどITサービス支出も増加傾向にあるという。中でも、ASEANや中国を含むアジア大洋州の成長が大きく、同社では、この地域の同期間のCAGRを4.4%と予測した。JOCの海外ITサービス全支出に占める割合も、54.5%から57.1%にまで拡大すると分析している。

 ただし、同社では、JOCの海外ITサービス支出は拡大するものの、投資/支出の意思決定を日本以外の本社で行うケース、あるいは海外子会社で行われるケースがあるという。例えば世界同一の製品/サービスを提供しようとしている企業の方が、市場ごとに製品/サービスをカスタマイズしている企業に比べて、本社によるIT予算の意思決定が行われる割合が高いという。ITサービスベンダー各社は、顧客企業のITサービス支出の意思決定がどこで行われているのか、海外戦略を念頭に置いて、サービスを提案、提供していく必要があると指摘している。

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