シンクタンクの矢野経済研究所は2015年11月27日、国内の事業継続/防災/情報セキュリティソリューション市場に関する調査結果を発表した。それによると、同社は2015年度の市場規模を前年度比5.4%増の7858億円と予測。東日本大震災以降、民間企業における事業継続(BCP)に対する意識は高まっており、クラウドを活用したBCP対策、ディザスターリカバリ―(災害復旧・DR)対策に取り組む企業も増えているという。同社では、2013年度~2020年度までの同市場の年間平均成長率を3.9%と分析。2020年度には9076億円にまで拡大すると予測した。

 同社は、政府や地方自治体でもBCP対策や防災システムの見直し、高度化・高機能化が進められているとした。日本でのサイバーテロ攻撃被害が現実味を帯びてきたことから、ソリューションベンダー各社にはユーザーからの問い合わせが活発化しているという。同社では特に情報セキュリティソリューション市場の伸び率が高いとしている。2015年度の同市場(事業者売上高ベース)は同5.9%の5466億円に達するという。

 同社は、日本でのサイバーテロ攻撃の事例は2011年から多く見られるようになったと指摘。2015年度には、日本年金機構における標的型サイバー攻撃被害のインシデントなどもあり、企業や団体では、サイバーセキュリティ対策の導入を促進する機運がさらに高まっているという。

 同社は、近年のサイバーテロ攻撃による情報漏洩被害の増加などから、情報セキュリティ対策を重要な経営課題と位置付ける企業や地方自治体が増加すると予測する。これにともない対策への投資も継続的に続けられているという。

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