米IDCが現地時間2014年11月25日に公表した世界タブレット端末市場に関する最新の調査によると、2014年の年間出荷台数(2-in-1型も含む)は2億3570万台で、前年比伸び率は7.2%にとどまる見通し。2013年の前年比伸び率は52.5%と高い水準で推移したが、今年は大幅に鈍化するという。米AppleのiPadの出荷台数が初めて年間を通して前年割れとなることが、その主な要因としている。

 IDCの推計によると、2014年のAndroid搭載タブレットの出荷台数は、前年比16.0%増の1億5950万台。これに対しAppleのiOS(iPad)は6490万台で、前年から12.7%減少するとIDCは見ている。またWindowsは同67.3%増と大幅に伸びるものの、台数は1090万台と比較的少なく、市場全体の4.6%にとどまる見通し。

 IDCプログラムディレクタのRyan Reith氏によると、タブレット端末の買い替え周期は当初、スマートフォンと同様の2~3年と見られていた。だが実際には、利用者の多くは端末を3年以上利用し、4年以上使い続ける事例も少なくないという。

 タブレット端末の買い替え周期は長期化する傾向にあり、それはスマートフォンの周期というよりも、パソコンの周期に近いとIDCは指摘している。その理由は、(1)ソフトウエアが旧モデルのサポートを続けていること、(2)さまざまなコンピューティングタスクをスマートフォンで行う機会が増えていることの2つだという。

 また、各フォームファクタ、製品種の中で著しい進歩を遂げたのはノートパソコンとしても使える2-in-1型端末だとIDCは指摘している。これらは、薄型化し、価格が下がり、製品種が増えている。その一方で2-in-1型はまだ市場全体に占める比率が少なく、本格的な普及には至っていないという。IDCが予測する2014年における2-in-1型端末の出荷台数は870万台で、市場全体に占める比率は4%。2-in-1型端末の大半にはWindows 8が搭載されているが、消費者が同OSの導入に二の足を踏んでいることがその大きな要因だとIDCは分析している。

 なお、今後のタブレット端末市場の動向を占う上で鍵となるのは、Windows 10に対するメーカー各社の反応、AndroidとChrome OSを持つ米Googleの動向、噂されているAppleの製品ラインアップ拡充と、IDCは述べている(関連記事:Apple、法人市場狙う12.9インチのiPadを発売か

[IDCの発表資料]