図●CAD/CAM/CAEシステム市場規模推移
図●CAD/CAM/CAEシステム市場規模推移

 シンクタンクの矢野経済は2014年11月19日、国内CAD/CAM/CAEシステム市場の調査結果を発表した。2013年度は円安が進んだことにより輸出型企業を中心に企業収益が改善し、設備投資が回復。市場規模(事業者売上高ベース)は、前年度比6.1%増の3055億円に達した。2014年度も円安による輸出型製造業の好調に支えられ、同7.1%増の3272億円にまで拡大すると予測した()。

 同社は、機械系や土木建築系など分野別の調査結果も発表した。機械系CAD/CAM/CAEの2013年度の市場規模は、同6.1%増の1969億円。2014年度には同8.5%増の2135億円になるとした。

 EDA(Electronic Design Automation)の市場規模は、国内の電子部品の需要低迷や価格の下落、パソコン需要の減少などから伸び悩み、2013年度の市場規模は同3.7%増の766億円にとどまった。2014年度の市場規模は同4.5%増の801億円となるとした。

 一方、土木・建築系CADは市場規模が大きく拡大。2013年度の市場規模は、同12.4%の320億円に達し、2014年度も同5.2%増の336億円に拡大するという。東日本大震災からの復興需要、公共事業投資などが追い風となって土木・建築業界、測量業界が堅調に推移していると指摘。土木・建築系CADはバブル期以来の好調が続いているという。

 同研究所は大手ベンダーを中心に、CADをVDI(デスクトップ仮想化)環境で動かす試みが進んでいると指摘。CADをVDI上で利用できるようになれば、機密データの漏えい防止やシステム維持コストの削減効果、業務効率化、ワークスタイル変革の促進などが期待できるという。UNIXワークステーションからパソコンに移行して以来、約15年ぶりにCADのプラットフォームが変わる可能性がでてきていると分析した。

矢野経済研究所の発表資料へ