図●パブリッククラウドIaaSの監視方法
図●パブリッククラウドIaaSの監視方法
(出所: IDC Japan)
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 調査会社のIDC Japanは2015年11月19日、国内のICTインフラ運用管理サービスに関する調査結果を発表した。これによると、ICTインフラ運用管理サービスでは、マルチクラウド対応と自動化の取り組みが進行し、IaaSを導入する企業の50%近くが、その監視をIaaSの標準監視機能以外で行うと回答した。同社では、現在、多くの事業者がこうした導入企業のニーズに応えるために、自社の運用管理サービスでAWS(Amazon Web Services)やVMware vCloud Airを始めとする主要なIaaSを管理できるよう取り組んでいるとした。

 同社は、パブリッククラウドIaaSへの需要の高まりとともに、国内ICTサービス事業者のICTインフラ運用管理サービスには、自社以外の複数の主要IaaSをサポートするマルチクラウド対応が求められるようになっていると指摘。仮想化やマルチクラウド利用が進むことで、ICTインフラの運用管理は複雑化しつつあるという。

 同社では、一部のICTサービス事業者は、複雑化する運用管理を効率化するために、コグニティブ技術などを活用した自動化と、これを前提とする運用管理体制の変革にも取り組んでいると分析。こうした取り組みによって、顧客専任担当者の業務や障害切り分けといったフロントに近い業務を中心に、運用管理の自動化が進むと予想されるという。併せて、バックエンドの専門エンジニアが複数の顧客に対応するなど、エンジニアの効率活用も進むと指摘している。

 同社は、今後、このような運用管理の自動化への取り組みは、ICT業界全体、さらには産業を超えた広がりを見せると予測。ICTインフラ運用管理サービスを提供する事業者に対し、新たな自動化技術の導入に取り組むべきと提言している。

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