図●2015年第3四半期 国内クライアントPC出荷台数 トップ5ベンダーシェア、対前年成長率(実績値)
図●2015年第3四半期 国内クライアントPC出荷台数 トップ5ベンダーシェア、対前年成長率(実績値)
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 調査会社のIDC Japanは2015年11月18日、国内のクライアントPC市場に関する調査結果を発表した。2015年第3四半期(7月~9月)の出荷台数は、前年同期比21.9%減の237万台と、前期(2015年4月~6月)に続いて大幅な落ち込みとなった。ビジネス市場向けが同23.0%減の147万台、家庭市場向けが同20.0%減の90万台。2015年7月にはWindows 10がリリースされたが、今期の需要拡大には結びつかなかった。

 同社では、国内のクライアントPC市場について、Windows XPのサービスサポート終了による特需や消費税増税前の駆け込み需要があった2014年の第1四半期(1月~3月)以降、ビジネス市場も家庭市場も需要が戻る気配がないと指摘。家庭市場向けの出荷台数が100万台を下回るのは、過去の集計からみると、1998年まで遡るという。

 ベンダー別の動向も分析。それによると、上位5社の出荷台数が大幅に落ち込んだ。出荷台数は、Windows XPのサービスサポート終了による特需と消費税増税前の駆け込み需要の反動で大きく落ち込んだ2014年第3四半期と比べて、さらに2割減に落ち込んだ。その中では、NECレノボグループが前期より4.7ポイント、シェアを伸ばし1位を維持した()。NECレノボグループは、ビジネス市場で同26.2%減、家庭市場では同12.8%減で、全体では21.1%減だった。

 富士通は、利益重視の戦略から、ビジネス市場で同26.9%減、家庭市場で同7.0%減で、全体では22.6%減。東芝は、ビジネス市場で同28.0%減、家庭市場で同15.8%減で、全体では23.1%減。Dellはビジネス市場では、中堅中小企業の不調が響き、同31.9%減、家庭市場では同23.9%減となり、全体では30.3%減だった。

 一方、好調だったのはHPで、ビジネス市場で同8.1%増と他のベンダーがマイナス成長の中、プラス成長を達成。家庭市場では同34.3%減だったが、全体では、他のベンダーと比べてマイナス幅が小さい0.4%減にとどまった。

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