シンクタンクの矢野経済研究所は2014年11月17日、3Dプリンターの世界市場に関する調査結果を発表し、2013年の世界の3Dプリンター出荷台数は7万台(事業者出荷数量ベース)となったとした。同社では、2013年から2017年までの3Dプリンター市場の年平均成長率(CAGR)を46.2%とし、2017年には32万台(同ベース)に拡大すると予測している。

 同社は、世界の3Dプリンター市場では、クラウドファンディングなどによる新規参入事業者が増加し、コンシューマ向け3Dプリンター装置の価格競争が進んでいると指摘。欧米を中心に3Dプリンターに対する国の金銭的支援や3Dプリンターの利用に関する教育が進んでいると分析している。

 世界市場が堅調に推移する一方で、同社は国内の3Dプリンター出荷台数も発表した。それによると、2013年には3600台となり、2014年には前年比172.2%の6200台に達すると予測。2013年下半期以降、2Dプリンターメーカーによる3Dプリンター市場への新規参入が相次いでいること、2014年に入り3Dプリンターの本格的な導入が進んでいることなどから、今後、国内市場も増加傾向を維持。2013年から2017年までは年平均57.2%の高い成長率を維持し、2017年には2万2000台に達すると予測した。

 今後、国内の3Dプリンター市場拡大への貢献が期待されているのは教育・医療・航空宇宙分野などで、教育分野ではコンシューマ向け製品が普及し、医療・航空宇宙分野ではハイエンド製品の導入が進むことが考えられるという。

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