シンクタンクの矢野経済研究所は2014年11月10日、世界の社会インフラ投資におけるICT(Information Communication Technology)需要の調査結果を発表した。それによると、2013年度の世界の社会インフラ投資額は前年度比1.9%増の265兆円に達し、2025年度には360兆円にまで拡大すると予測。そのうちICT需要は、2013年度に4.9兆円となり、2025年度には12.7兆円と2010年度比の3.3倍にまで拡大するという。

 この調査は、同社が2014年5月から9月までの5カ月間にわたって、世界銀行や経済協力開発機構(OECD)、国連開発計画、アジア開発銀行、日本貿易振興機構(JETRO)など世界各国の公的機関へのヒアリングや公表資料などを基に社会インフラ向け投資予算額を集計し、日本円に換算したもの。

 その中で、各種インフラに情報技術や通信技術などを組み込んだほか、インフラの高度化やインフラ管理の効率化を目指すICT投資についても、公的研究機関や通信事業者、IT事業者などからヒアリングし投資規模を試算した。調査対象国は、日本のほか欧米、オセアニア、韓国、ASEAN諸国、中東産油国、BRICS、一部の中南米・アフリカ諸国。

 同社では、世界の社会インフラ投資規模は、2025年度にかけて拡大基調は継続するものの、2020年代の前半には先進国でのインフラ投資の伸び悩みや、中国などでの大型インフラ建設が落ち着くとしている。

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