図●オンラインファイル共有市場タイプ別売上金額推移および予測
図●オンラインファイル共有市場タイプ別売上金額推移および予測
出所:アイ・ティ・アール
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 調査会社のアイ・ティ・アールは2015年11月10日、国内のオンラインファイル共有やファイル転送、コンテンツ管理に関する調査結果を発表した。オンラインファイル共有市場は2014年度に前年度比28.4%増の50億円に達した()。同社では、オンラインファイル共有が、マイナンバーのようなセンシティブなデータの収集・保管用途としても注目されつつあることから、2015年度には同30%増の65億円に達すると見込んだ。今後も市場は活発に動くことから、2014年~2019年にかけての年間平均成長率(CAGR)を19.2%と予測し、2019年には122億円にまで拡大すると予測した。

 同社では、オンラインファイル共有市場の主な用途を外出先や自宅の作業環境からのファイル利用、自社の部署間や取引先とのデータ共有あるいは交換などと分析。その利便性から着実に導入が進んでいると指摘した。前年度比で売上金額が2倍から3倍と躍進したベンダーも複数あり、それらが市場拡大の要因となっているという。

 同社は、2015年度もオンラインファイル共有市場は引き続き成長するものの、ベンダーごとの伸びには、大きなバラつきが見込まれると指摘する。このためシェア争いが激化するという。共有できるファイルの容量を無制限にするサービスもあるなど、容量に対する低価格化が進んでいるほか、新規参入ベンダーもあり、利用者にとっては製品・サービスの選択肢がさらに増えているという。

 一方、同社は、ユーザー間のファイル転送市場、システム間のファイル転送市場をはじめ、コンテンツ管理の市場についても調べた。2014年度のユーザー間のファイル転送市場は、パッケージ製品市場の高い伸びを背景に同15.1%増、システム間のファイル転送市場は同6.6%増にまで拡大した。システム間のファイル転送市場は、ほぼ独占状態が続いているという。

 2014年度のデータ・キャプチャ市場も同17.9%増と、徐々に認知度が向上しているという。ECM市場は同0.7%増とほぼ横ばいで、今後も微増で推移すると予測した。

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