図●導入済みの製品/サービス
図●導入済みの製品/サービス
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 調査会社のノークリサーチは2015年11月4日、国内の中堅・中小企業におけるバックアップ関連ツールの利用実態とユーザー評価に関する調査結果について発表した。それによると、年商500億円未満の企業における導入済みのバックアップ製品とサービスのシェアでは、シマンテックの「Backup Exec」が15.1%でトップとなり、次いでArcserveの「Arcserve Backup」が13.7%、日本IBMの「Fast Back」が9.8%と続いた()。同社では、それぞれの製品・サービスのシェアが高くても15%程度からそれ以下に留まっていることから、多くの製品とサービスが少しずつシェアを分けあっていると分析している。

 同社は、中堅・中小企業が「ハードウェアに付属のバックアップ機能を利用」しているか、もしくは「OSに付属のバックアップ機能を利用」しているかについても調査。その割合が、個々の製品・サービスと同レベルの高さになっていることから、専用のバックアップ製品/サービス を開発・販売するベンダーや販社、SIerがシェアの獲得と拡大を狙うには、付属ツールからのステップアップが訴求対象になると指摘した。

 同社は、中堅・中小企業が現時点で抱えている最も重要な課題についても調査。それによると、「導入時の初期費用が高価である」が10.1%と最も多く、ついで「導入後の保守/サポート費用が高価である」が8.4%、「バージョンアップ時の費用負担が高価である」が6.4%と続いた。同社では機能に関連する項目の大半は、5%未満の割合であること、あわせて「課題は全くない」の回答割合が3割弱に達していることを指摘。ユーザー企業は、バックアップについては課題を十分に意識できていないと分析した。

 同社は、製品・サービスが持つべき機能や特徴についても調査。それによると、サーバー向けでは「バージョンアップ時の費用負担が安価である」が25.3%と最も多く、次いで「導入時の初期費用が安価である」が14.9%、「ネットワークに負荷をかけずにPCバックアップできる」が14.4%。PC向けでは、「ネットワークに負荷をかけずにPCバックアップできる」が25.7%と最も多かった。同社では、PC向けのバックアップでは、PCごとに転送するデータ内容が異なる ため、ネットワークに負荷を与えてしまいやすいと指摘。この点を何らかの方法で改善できれば、PC向けバックアップ製品において大きな差別化要因となる可能性があると分析している。

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