図●国内ユニファイドコミュニケーション/コラボレーション市場 セグメント別売上額予測、2010年~2019年
図●国内ユニファイドコミュニケーション/コラボレーション市場 セグメント別売上額予測、2010年~2019年
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 調査会社のIDC Japanは2015年11月4日、国内のユニファイドコミュニケーション/コラボレーション(UC&C)市場に関する調査結果を発表した。同社では、UC&C市場を「IPテレフォニー市場」、「コラボレーティブアプリケーション市場」、「IPコンファレンスシステム市場」、「IPコンタクトセンターシステム市場」の4つのソリューション市場に分類。それぞれの市場について個別に調査し市場予測を行っている。

 それによると、2015年上半期の市場規模は、前年同期比5.6%増の1237億2400万円に達した。同社では、下期以降も同市場が堅調に推移すると分析。2015年通期では前年比3.4%増の2365億5600万円にまで拡大すると予測した()。同社では、同市場が2014年~2019年にかけて年間平均成長率(CAGC)で3.1%で成長すると指摘。2019年には、2666億3900万円にまで拡大すると分析した。

 同社は、2015年前半の同市場について、2014年から継続している企業の音声プラットフォームのリプレイス需要が好調に推移したと指摘。特に大規模音声システムのリプレイスが好調で、その結果、IPテレフォニー市場が前年同期比3.3%増となったという。

 コラボレーティブアプリケーション市場では、PCやモバイルデバイス間でファイル同期を行ったり、複数のデバイス間でファイルを共有したりするクラウドサービスである「ファイル同期/共有ソフトウェア市場」が好調。こうしたクラウド型コラボレーティブアプリケーションの成長によって前年同期比14.0%増と堅調に推移した。

 一方、IPコンファレンスシステム市場では、ビデオ会議システムの価格低下によって2015年上半期は同2.2%増に、IPコンタクトセンターシステム市場は市場のSaaSへのシフトや小型システムの増加によって成長率が減速し、同2.1%増にとどまった。

 同社では、国内のUC&C市場は、「第3のプラットフォーム」へのシフトが顕著で、特にクラウドをベースとしたサービスへのシフトが活発になっていると分析。ベンダーやシステムインテグレーター、通信事業者は、ユーザー企業のIT投資動機の変化に応じたマーケティング戦略の改革、UC&Cシステムのクラウドファースト戦略を加速するべきであると指摘している。

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