調査会社のIDC Japanは2015年10月29日、国内のビジネスサービス市場に関する調査結果を発表した(図)。ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)市場とビジネスコンサルティング市場で構成される市場で、2015年の市場規模は前年比5.5%増の1兆46億円と初めて1兆円を超え、5年連続でプラス成長になると予測した。同社は、2014年~2019年の年間平均成長率(CAGR)を4.2%と分析。活発な需要を背景にプラス成長を継続し、2019年には1兆1668億円にまで拡大すると予測した。
市場分野別でも調査した。それによると、経営戦略策定や業務改善/変革、組織/人事改革といった分野で提供されるビジネスコンサルティング市場は、同8.1%増の3373億円と大幅に成長すると予測した。
背景には、第3のプラットフォーム(ビッグデータ/アナリティクスやクラウド、モビリティー、ソーシャル技術)を前提とする新たなビジネスの開発やイノベーションの創出といった、「デジタル変革」に向けたビジネスコンサルティングサービスへの需要が高まっていることがあるという。あわせて、大手事業者がこういったニーズに対応する人材(コンサルタント)を積極的に拡大していることがあると指摘した。
一方、人事、カスタマーケア(コンタクトセンター)、財務/経理、調達/購買の4分野で構成されるBPOサービス市場は、4分野の全てでプラス成長を達成。合計で同4.3%増の6674億円にまで拡大すると予測した。
同社ではBPOサービス市場が好調なことについて、大企業における中期的な体質改善に向けた間接業務の効率化の需要が継続していることを指摘。あわせて、中堅企業における利用も拡大しつつあると分析している。
ただし、同社が2015年4月に実施したユーザー調査結果によると、国内市場ではカスタマーケア以外の間接業務BPOについては、各業務とも堅調に上昇してはいるものの、利用率は10~15%程度と依然として低い水準にあるという。
特に、従来型業務プロセスの見直しを進める「変革型」BPOを実勢している企業は一部の先進的企業にとどまっていると分析している。
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