図●国内ビッグデータインフラストラクチャ市場 セグメント別 売上額予測、2014年~2019年
図●国内ビッグデータインフラストラクチャ市場 セグメント別 売上額予測、2014年~2019年
(出所:IDC Japan)
[画像のクリックで拡大表示]

 調査会社のIDC Japanは2015年10月27日、国内のビッグデータインフラストラクチャに関する調査結果を発表した()。2014年の市場規模は185億7400万円で、2015年には前年比34.3%増の249億5000万円にまで拡大すると予測。2014年~2019年にかけて、同市場の年間平均成長率(CAGR)を22.6%と分析し、2019年には同市場が515億1500万円までに成長すると予測した。

 同社では、ビッグデータで利用されるインフラストラクチャ市場には、サーバーをはじめ、ストレージ、ネットワーク機器、クラウドインフラストラクチャ、その他関連機器などが含まれると指摘。2014年の国内ビッグデータテクノロジー/サービス市場では、売上高ベースでインフラストラクチャが4割を占め最大の市場になっているという。

 2014年の国内ビッグデータインフラストラクチャ市場の構成比についても調べた。構成比が最も高かったのはサーバーで38.4%、次いでストレージが33.4%、ネットワーク機器が11.7%。クラウドをデータ分析などに使うクラウドインフラストラクチャは2.5%にとどまった。

 2015年の同市場では、サーバーが36.7%、ストレージが36.6%、ネットワーク機器が11.9%、クラウドインフラストラクチャが2.8%。2019年には、サーバーが29.6%、ストレージが47.1%、ネットワーク機器が10.3%、クラウドインフラストラクチャが4.5%と予測した。

 2014年~2019年のCAGRをセグメント別に分析したところ、クラウドインフラストラクチャのCAGRが37.8%で最高だった。ストレージが31.3%、ネットワーク機器が19.6%、サーバーが16.5%と、いずれも高い成長率を維持すると予測した。

 クラウドインフラストラクチャのCAGRが最も高くなると分析した背景には、現在はオンプレミスを主体に構築されているビッグデータインフラストラクチャだが、予測期間を通してクラウド利用が拡大していくと考えられるためという。次いでストレージのCAGRが高いのは、ビッグデータで活用するために保存するデータ量が増大し、ストレージ需要の大幅な増加が見込めることが背景にはあると指摘している。

 同社では、ITベンダーがビッグデータインフラストラクチャ市場でビジネスを拡大していくためには、パッケージ化や初期コストの低減、さらに第3のプラットフォーム時代に適合したビジネスモデルへの転換、そして自社の得意領域におけるソリューションの強みを生かすことが不可欠であると分析している。

IDCの発表資料へ