インターネット広告の業界団体Interactive Advertising Bureau(IAB)は現地時間2015年10月21日、米PwC(PricewaterhouseCoopers)と共同で行った、米国インターネット広告市場に関する調査リポートを公表した。それによると同年上半期(1~6月)の売上高は275億ドルとなり、過去最高を更新した。

 これは前年同期の231億ドルから19%多い金額。また前年下半期の264億ドルをも上回っており、このままのペースで推移すれば、年間売上高は過去最高を記録した2014年の実績を超える見通しだとIABは予測している。

 2015年上半期の売上高の内訳は、検索広告が101億ドルで最も多く、全体の37%を占めた。またモバイル広告は82億ドルで、全体に占める割合は30%。ディスプレー関連広告(バナー、デジタルビデオ、リッチメディア、スポンサーシップ)は68億ドルで同25%。クラシファイド広告(求人や不動産などの案内)は15億ドルで同5%だった。

 このうち伸び率が最も高いのはモバイル広告。モバイル広告の売上高は前年同期の53億ドルから54%増加した。検索広告は同11%増と比較的小幅な伸びだが、100億ドルの大台を突破しており、堅調に推移している。このほかディスプレー関連広告のデジタルビデオも同35%増と高い伸びだった。一方、ディスプレー関連広告全体では同5%増と小幅な伸びにとどまった。またこれらのカテゴリーには含まれないが、ソーシャルメディア広告が同51%増の44億ドルとなり、大きく伸びた。

 2015年上半期にインターネット広告への支出が最も多かった業種は「小売り」で、全体の22%を占めた。このあと「金融サービス」(13%)、「自動車」(13%)、「通信サービス」(9%)、「レジャー・旅行」(9%)、「消費者エレクトロニクス/コンピュータ」(7%)などが続いた。

[発表資料]
[調査リポート(PDF書類)]