米Yahoo!が現地時間2015年10月20日にまとめた同年第3四半期(2015年7〜9月)の決算は、ディスプレイ広告および検索広告が成長したものの、売上高と利益ともにアナリスト予測を下回った。

 会計原則(GAAP)ベースの売上高は12億2600万ドルで、前年同期と比べ7%増加した。しかし提携企業に支払う手数料(TAC)は2億2300万ドルと、前年同期の5400万ドルから大きく膨らみ、TACを除いた場合の売上高は同8%減となる。

 GAAPベースの純利益は7600万ドル(希薄化後1株当たり利益は0.08ドル)で、前年同期の67億7400万ドル(同6.70ドル)から99%縮小した。前年同期の数字には、中国Alibaba Group(阿里巴巴)の米国での新規株式公開(IPO)に伴う株式売却益が含まれる。営業損益は前年同期の4200万ドルの黒字から8600万ドルの赤字に転落した。

 特別項目を除いた非GAAPベースの場合、純利益は前年同期比70%減の1億4600万ドル(希薄化後1株当たり利益は0.15ドル)、営業利益は同40%減の9200万ドルとなる。

 アナリストらの予測は、TACを含む売上高が12億6000万ドル、特別項目を除いた1株当たり利益が0.17ドルだった(米CNETの情報)。

 第3四半期のディスプレイ広告収入は前年同期比14%増の5億900万ドル(TACは1億400万ドル)。広告販売数が同約8%増加し、広告単価は同約8%上昇した。

 検索広告収入は前年同期比13%増の5億900万ドル(TACは1億1900万ドル)だった。ペイドクリック数は同約5%増加したが、クリック単価は同約2%減少した。

 同時に発表した2015年第4四半期(2015年10〜12月)の業績見通しでは、売上高を11億6000万〜12億ドルと予測し、市場予想の13億3000万ドルを下回った(英Reuters)。

 またYahoo!は、米Googleと検索広告に関して提携を結んだことも明らかにした。米Wall Street Journalの報道(閲覧には有料登録が必要)によると、GoogleはデスクトップとモバイルでYahoo!に検索広告を提供し、Yahoo!サイト経由で得た広告収入の一部をYahoo!に支払う。一方Yahoo!は、画像検索結果およびWeb検索結果のリクエストに応じてGoogleに手数料を支払う。

 Yahoo!は検索事業に関して米Microsoftと10年間にわたる契約を結んでいるが、今年4月にYahoo!の自由度を大幅に広げる提携改定を行った(関連記事:MicrosoftとYahoo!、検索事業に関する提携を改定)。

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