図●コミュニケーションロボットの認知度
図●コミュニケーションロボットの認知度
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 シンクタンクのMM総研は2015年10月20日、コミュニケーションロボットの一般消費者意向に関する調査結果を発表した。コミュニケーションロボットとは、日常生活において、人間とコミュニケーションすることにより、話し相手や情報提供などのサービスを行うロボットのこと。コミュニケーションロボットの認知度は、「概ね理解している」が18.0%、「言葉を見たり聞いたりした程度」が50.4%、「わからない」が31.6%となり、認知している一般消費者は68.4%に達した()。

 最も認知度が高かったコミュニケーションロボットは、ソフトバンクロボティクスが企画・開発を行っている「Pepper」(ペッパー)で、認知度は41.0%。次が、ロボガレージが企画・開発した「Robi」(ロビ)の16.2%、3番目はタカラトミーの「Robi jr.」(ロビジュニア)7.2%となった。一方で、いずれのコミュニケ―ションロボットも認知していないも49.7%に達した。

 同社では、今後のコミュニケーションロボットの購入意向についても調査。それによると、「1年以内に購入したい」が1.6%、「1年以上先になるが、購入を検討したい」が13.1%、「購入したくない」が85.2%となり、一般消費者の購入意向が現時点では必ずしも高くない結果となった。コミュニケーションロボットそのものが一般的に認知されつつある一方で、活用シーンや利便性が不明確でユーザーに訴求できていないことが、背景にあるという。

 また、今後コミュニケーションロボットを購入すると仮定して、支払って良いと思う金額について質問した結果、「10万円未満」が全体の63.3%を占め、「10万円以上50万円未満」は10.5%、「50万円以上」が0.8%、「金額に関わらず購入したくない」が25.3%となった。

 コミュニケーションロボットの形状では、最も求められている形状は「人型(頭・胴体・2本の手・2本の足で構成されている)」で33.1%、次が、「動物の形状(犬や猫など)」で22.5%、3番目が「人型に近いが足は台(頭・胴体・2本の手・これを支える台で構成)」で19.2%。

 コミュニケーションロボットに求める機能では、「人間の声を認識できる」が56.8%で最多。次いで、「人間と対話することができる」で53.5%、3番目が「学習能力がある」で50.2%となった。

 同社では、今回の調査を通じて、コミュニケーションロボットの認知度は高まっている一方で、購入意向が14.7%に留まっていることを指摘。一般消費者に対してコミュニケーションロボットを充分に訴求できていないという実態が浮き彫りになったと分析した。

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