図●生産管理システム導入率
図●生産管理システム導入率
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 調査会社のノークリサーチは2015年10月14日、国内の中堅・中小企業における生産管理システムの利用実態とユーザー評価に関する調査結果を発表した。それによると、組立製造業における生産管理システムの導入率では、年商5億円以上10億円未満で30.8%、年商10億円以上20億円未満で42.1%だが、年商20億円以上50億円未満になると63.3%と過半数を超えて大きく増加した。同社では、生産管理システムの導入率が過半数を超える境界線は年商20億円と指摘している()。

 一方で、年商100億円以上300億円未満の企業では51.9%、年商300億円以上500億円未満の企業では52.6%と、年商帯の高い企業層でも導入率は50%程度にとどまっている。それについて同社では、ERPの一機能として生産管理システムを導入・運用しているためと分析。生産管理システム単体での導入・運用に該当しないことが主な要因と考えられるという。同社では、製造業にとって生産管理システムは、本業に直結する業務アプリケーションであることから、今後も新規導入や更新・刷新の機会があると予測している。

 また、同社は、中堅・中小企業での導入済みの生産管理システム製品・サービスのシェアについても調査。それによると、シェアトップは富士通の「GLOVIA smart製造(PRONES/MES/PROFOURSなど)」で、前年比5.4ポイント増加の23.3%に達した。続いて、大塚紹介の「生産革新シリーズ/CoRE-Chain/Quickシリーズ」が同1.9ポイント増の14.0%、NECの「EXPLANNER/J」「MCFrame」が同2.4ポイント増の12.7%となった。同社は、これらシェア上位の製品・サービスが、さらにシェアを伸ばした一方で、「独自開発システム(完全なスクラッチ開発) 」の割合が2014年の14.7%から2015年には6.8%にまで減少したと分析。スクラッチ開発からパッケージ導入への移行が起きていると指摘した。

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