図●導入済みのERP製品/サービスのシェア
図●導入済みのERP製品/サービスのシェア
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 調査会社のノークリサーチは2015年10月13日、国内の中堅・中小企業のERPの利用実態に関する調査結果を発表した()。2015年までに中堅・中小企業が導入したERP製品とサービスを累積した市場シェアでは、SAPジャパンの「SAP ERP/SAP Business All-in-one」が20.8%でトップ。ついで、OBCの「奉行 V ERP/新 ERP(奉行21/奉行 iを除く)」が17.8%、富士通の「GLOVIA smart/GLOVIA SUMMIT/GLOVIA ENTERPRISE」が11.6%、日本オラクルの「Oracle Fusion Applications(EBSも含む)」が9.2%と続いた。

 2014年までと比べて、上位4社の順位に変動はなかったが、2015年はSAPジャパンの「SAP Business One」と大塚商会の「SMILEシリーズ」がともに8.3%で5位となった。2014年までは「SMILEシリーズ」が5位で、「SAP Business One」が6位だったことから、2015年になって5位と6位争いで順位に変動があった。

 同社では2015年までの中堅・中小企業のERP市場の動向について、安定または停滞して推移してきたと考えられがちだが、実際には ERPを提供する側が入れ替えや刷新に取り組む余地はまだ十分あると指摘している。

 同社は導入年別の市場シェアも発表した。2015年では、OBCの「奉行 V ERP/新 ERP(奉行21/奉行 iを除く)」が25.0%でトップ。続いて、オービックの「OBIC7」が15.0%、SAPジャパンの「ERP/SAP Business All‐in‐one」と大塚商会の「SMILEシリーズ」、日本マイクロソフトの「Microsoft Dynamics AX」が10.0%で同じシェアで3位となった。

 同社では、この結果が示すとおり、累積の導入社数シェアは同程度であっても、「最近導入したユーザー企業が多い製品/サービス」と「導入年が古く、継続的に利用しているユーザー企業が多い製品/サービス」があることを指摘。ERPを提供するベンダーの戦略も変わってくるだけでなく、シェア上位の製品/サービスからのリプレースを図ろうとするベンダーや販社、システムインテグレータにとっても、ターゲットとなる製品/サービスがどのような状況になっているかを把握することが重要であると指摘している。

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