図●IT関連用語に対する印象(年商500億年未満全体)
図●IT関連用語に対する印象(年商500億年未満全体)
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 調査会社のノークリサーチは2015年10月8日、国内の中堅・中小企業が様々なIT関連用語に対して持つ印象や認知に関する調査結果を発表した。それによると、年商500億円未満の企業では、「コンシューマライゼ―ション」について、41.5%が「全く知らない用語である」と回答。「ワークスタイル変革」については「全く知らない用語である」が28.1%に減少したが、「IT企業が作った宣伝用語と捉えている」が24.8%と約4社に1社の割合となった。一方、「クラウドソーシング」については、「コスト削減に寄与するIT活用分野と捉えている」が31.2%に達するなど、浸透している状況が浮き彫りになった。

 ノークリサーチは、「コンシューマライゼ―ション」「ワークスタイル変革」「クラウドソーシング」の3つの用語について詳細に分析。それによると、「コンシューマライゼーシ」では、一般消費者向けのわかりやすいユーザーインタフェースを備えているメリットを訴求すべきと指摘。用語のみに頼らずに、具体的な説明を付加することが重要と分析した。

 「ワークスタイル変革」は、最近になって特に注目を集めていると指摘。「全く知らない用語である」が28.1%と比較的高かったことの要因として、「該当するIT活用分野の広さ」にあると分析した。

 またノークリサーチは、「ワークスタイル変化」という用語が、グループウエアやWeb会議システム、スマートデバイスやデスクトップ仮想化など、様々なICTソリューションで、そのメリットを訴求する際に用いられていることにも注目。そのメリットをより具体的に示すことが、用語の理解においては重要と指摘している。

 一方、「クラウドソーシング」については、比較的新しい用語ではあるが、「全く知らない用語である」の割合が15.9%と比較的低かった。さらに、「コスト削減に寄与するIT活用分野と捉えている」の割合が31.2%に達するなど、中堅・中小企業においても「個人に委託することで得られるコストメリット」への期待感が存在するという。

 ただしノークリサーチは、実際に中堅・中小企業と対話する中で、クラウドソーシングの「クラウド=crowd」とクラウドコンピューティングの「クラウド=cloud」を混同しているケースも散見されたと指摘。用語を正しく認知している実際の割合はもう少し低い可能性があるという。

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