調査会社のIDC Japanは2015年9月17日、国内のクライアント仮想化市場に関する調査結果を発表した。これは、シンクライアント専用端末、クライアント仮想化ソフトウェア、クライアント仮想化ソリューション、クライアント仮想化サービスの動向を調査したもの。それによると、2014年のシンクライアント専用端末市場のベンダー別シェアは、第1位がHPで29.3%、次いで日立製作所(以下、日立)が16.9%、デルが16.5%、富士通が9.2%、レノボが5.7%となった(図)。上位3社の実績が突出している。
産業分野別出荷動向では、金融が14.6%、教育/自治体が18.8%、ヘルスケアが16.0%、小売が4.3%、その他(製造/情報サービス/通信など)が46.4%。ヘルスケアへの割合が、昨年より高くなったという。IDC Japanは、ゼロクライアントの割合が、2013年の12.8%から2014年は22.0%へと高まったと指摘している。
一方、2014年のクライアント仮想化ソフト市場の上位3社は、マイクロソフト、シトリックス、ヴイエムウェア。マイクロソフトは、50%以上のシェアを維持し、上位3社は寡占状態にあるという。IDC Japanは、その優位性は今後も変わらないと分析。背景として、3社によるクライアント仮想化関連ベンダーの買収、ライセンス施策などを含め、クライアント仮想化を推進するシステムインテグレータやチャネルに対する拡販施策などがあると指摘した。
2014年のクライアント仮想化ソリューション(オンプレミス)市場のシェアは、1位から富士通、日立、NECの順で、IBM、ヒューレット・パッカードの2社が追従。2014年の国内クライアント仮想化サービス(DaaS)市場のベンダーシェアは、1位が富士通で、NSSOL、日立。富士通、日立は主にプライベートクラウドDaaS、NSSOLはバーチャルプライベートクラウドDaaSにおいて、それぞれ高いシェアを獲得しているという。
国内クライアント仮想化ソリューション(オンプレミス)市場、国内クライアント仮想化サービス(DaaS)市場は、参入障壁が低いため、今後も多くのシステムインテグレータやソリューションベンダーが参入する可能性が高いと分析している。
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