米IDCが現地時間2015年9月14日に公表した世界のウエアラブル機器市場に関するリポートによると、2015年における世界出荷台数は、前年の2890万台から163.6%増加し、7610万台となる見通し。ウエアラブル機器の年間出荷台数は今後22.9%の年平均成長率で増加し、2019年には1億7340万台に達すると同社は見ている。

 IDCはウエアラブル機器を、自社開発のアプリのみに対応する「ベーシック型」と、サードパーティーのアプリも利用できる「スマート型」に分類している。このうちスマート型は現時点で市場全体の3分の1程度にとどまるが、2018年にはベーシック型を追い抜くと予測している。スマート型ウエアラブルは今後ユーザーインタフェースや機能が向上し、主に通知機能に重点が置かれるスマートフォンのアクセサリーという位置付けから、より高度なウエアラブルコンピュータへと急速に移行するという。

 またIDCは、手首に装着するタイプの「スマートリストウエア」が、今後のウエアラブル機器市場をけん引していくと見ている。これには米Appleの「Apple Watch」、米Motorola Mobilityの「Moto 360」、韓国Samsung Electronicsの「Gear Sシリーズ」、米Pebble Technologyの「Pebble Time」などがある。これらの機器の第2世代、第3世代モデルが登場し、ハードウエアやアプリケーションが向上すれば、現在様子見をしている顧客もより興味を抱くようになるという。その時点からクチコミなどによりスマートリストウエアへの関心が広がっていくと同社は予測する。

 なお、IDCが予測する2015年におけるスマートリストウエアのOS別出荷台数は、Appleの「watchOS」が1390万台、米Googleの「Android/Android Wear」が410万台、Pebble Technologyの「Pebble OS」が210万台。スマートリストウエア市場におけるそれぞれのシェアは、58.3%、17.4%、8.7%になるとの予測だ。このうち今後5年間の年平均成長率が最も高いのは、Android/Android Wearの67.5%。watchOSとPebble OSの年平均成長率はそれぞれ30.6%、6.4%になると同社は見ている。

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