シンクタンクの富士キメラ総研は2015年9月14日、スマートフォンを含む携帯電話端末と、データ通信モジュールなど主要デバイスの世界市場に関する調査結果を発表した。それによると、スマートフォンとフィーチャーフォンを合わせた携帯電話端末市場は、2014年の18億5840万台から、2019年には2014年比7.6%増の20億台に達すると予測した(表1)。これは、スマートフォンの出荷台数が2014年の13億1700万台から、2019年には同36.7%増の18億台に達するものの、フィーチャーフォンの出荷台数が大幅に減少するため。フィーチャーフォンは、2014年の5億4140万台から、2019年には同63.1%減の2億台にまで落ち込むという。

表1●携帯電話の世界市場(出典:富士キメラ総研)
表1●携帯電話の世界市場(出典:富士キメラ総研)
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 一方、同社はデータ通信モジュールについて、2014年の1億9000万台から2019年には2014年比65.8%増の3億1500万台にまで増加すると分析。ノートPCやモバイルルーター向けなどを中心に需要が堅調という。ただし、ノートPC向けは頭打ちで、今後はM2M、車載通信システム向けが伸びると予想している。とりわけ、M2Mでは、セキュリティや医療・ヘルスケア、遠隔監視・モニタリング、輸送管理などの分野での需要が拡大すると指摘した。

 同社は、携帯電話端末を構成するキーデバイス市場についても調査した(表2)。キーデバイスで成長が見込まれるのは、RFデバイスとLSI。特にRFデバイスの動向について、スマートフォンの多モード化、多バンド化に伴い、今後も拡大すると分析。3GHzを超える超高周波帯域でのサービスも始まり、さらに第5世代(5G)も控えており、対応する周波数の多様化が想定されるという。その一方で、複数機能のモジュール化や統合化により、価格下落も進むことから、徐々に伸びが鈍化すると予測した。

表2●キーデバイスの世界市場(出典:富士キメラ総研)
表2●キーデバイスの世界市場(出典:富士キメラ総研)
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