図●Windows10への移行方針(年商500億円未満全体)
図●Windows10への移行方針(年商500億円未満全体)
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 調査会社のノークリサーチは2015年9月1日、中堅・中小企業のWindows 10への移行に関する調査結果を発表した。現在、Windows 7 SP1またはWindows 8.1 Updateを利用している企業であれば、Windows 10の提供開始(2015年7月29日)から1年間は無償アップデートが可能となる。今回の調査では、「所定期間内にWindows 10への無償アップデートを行う」企業が18.5%にとどまり、一方で、「Windows 10にはアップデートせず、現在のバージョンを継続利用する」企業が28.6%に達した。「現時点では判断できない」とする企業も31.7%あり、慎重な姿勢を示す中堅・中小企業が6割に達していることが明らかになった()。

 同社では、多くの中堅・中小企業が慎重な姿勢であったことについて、企業におけるOSのバージョンアップは、既存の業務システムからの移行が容易かどうかなど、さまざまな要件を検証しなければならないことを指摘。今回の調査が、Windows 10の配布開始とほぼ同時期に実施されたこともあり、その時点ではWindows 10に未対応の業務システムも多く、「無償」という理由だけで中堅・中小企業のWindows 10への移行を強く後押しすることはできないと分析した。

 Windows 10以降では、OSの新機能やセキュリティパッチが継続的に適用される。中堅・中小企業において多くを占めると予想されるエディションの「Windows 10 Pro」では、「Current Branch」および「Current Branch for Business」の2つのポリシーが選択可能となるが、新機能の適用を一定期間遅らせることはできても、そもそも適用するかどうかを企業側が選択・制御することができなくなる可能性も指摘されている。マイクロソフトは月次で公開しているセキュリティ更新プログラムについて、これまでは公開数日前にブログやWebを通じて更新内容の事前通知を行っていたが、2015年1月以降は有償のサポートプログラムに加入している企業のみに事前通知を提供する方針へと変更されている。