図●回答企業に占めるIoT利用企業の割合(出典:IDC Japan)
図●回答企業に占めるIoT利用企業の割合(出典:IDC Japan)
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 調査会社のIDC Japanは2015年8月26日、国内企業のIoTの利用動向に関する調査結果を発表した。それによると、国内約7000社を対象とした調査で、現在、IoTを利用している企業は340社。利用率は4.9%にとどまった()。

 同社では、IoT利用動向を産業分野別にも調査した。IoTの利用率が最も高かったのは、製造/資源の分野で利用率は6.7%。組立製造/プロセス製造分野を中心に様々な組み込み機器が、古くからIoTとして活用されてきていることが関係しているという。次いで、流通/サービスの分野で同5.0%、公共/インフラの分野で同3.2%、金融分野で同1.3%だった。

 IoTの用途では、自社で保有する産業機器の稼働状態の見える化や故障検知など「社内用途」がIoT利用企業の回答の9割を占めた。顧客の保有する産業機器のリモート管理/制御や顧客分析/マーケティングなどといった「社外用途」は、IoT利用企業の3割程度だったという。

 同社では、組み込み機器を多用する産業分野向けのIoT導入が一巡しつつある中、組み込み機器との親和性がそれほど高くはないその他の産業分野に対して、IoTの導入が進行すると指摘。各種データの分析技術の急速な発達に伴い、IoT利用企業が社内用途/社外用途の双方で、IoTを活用して様々な付加価値を生み出すことが、今後、多くの企業に求められるという。併せて、IoT利用企業の課題の一つである「IoTを利用する上での情報セキュリティ」については今後も関心が一段と高まると予測した。

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