米IDCが現地時間2015年8月25日に公表した世界のスマートフォン市場に関する調査によると、同年の年間出荷台数は14億3650万台となり、前年に比べ10.4%増加する見通し。IDCは先のリポートで同年出荷台数の前年比伸び率を11.3%と予測していたが、今回これを下方修正した。

 中国市場の成長が、北米や西欧と同様の成熟パターンに移行しつつある中、2015年の世界市場は顕著な減速があると同社は見ている。一方で、今後平均販売価格が下落することから出荷台数は堅調に伸び、2019年の年間出荷台数は19億台に達すると予測している。

 IDCによると、中国の出荷台数は2014年に世界全体の32.3%を占めており、同国は世界最大のスマートフォン市場となっている。だが、同国の今年の前年比伸び率はわずか1.2%にとどまる見通し。この数値は2014年の19.7%と比較すると著しく低い。中国は今後も世界最大市場であり続けるが、その出荷台数シェアは2019年に23.1%へと低下、一方でインドなどの成長国が台頭してくるとしている。

 IDCが予測する2015年のOS別年間出荷台数は、Androidが11億6430万台(市場シェアは81.1%)で最も多く、このあとiOSの2億2370万台(同15.6%)、Windows Phoneの3690万台(同2.6%)と続く見通し。このうちiOSは今後も成長が続くとIDCは見ているが、Androidのシェアは2019年も同様の水準を維持するという。今後大いに成長が見込まれるインドなどが価格に敏感な市場であるためだという。たとえAppleが再びiPhoneの廉価モデルを市場投入しても、これらの成長国では200ドル以下のAndroid端末との競争に苦戦すると指摘している。

 同社が予測する2019年のOS別年間出荷台数は、Androidが15億4190万台、iOSが2億6960万台、Windowsが6780万台。IDCは先のリポートでWindowsの出荷台数は大きく伸びないと予測していたが、この見通しは今も変わらないという。

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