調査会社のIDC Japanは2015年8月24日、国内のクライアントPC市場に関する調査結果を発表した。それによると、2015年第2四半期(4月〜6月)の出荷台数は、ビジネス市場向けが前年同期比42.1%減の132万台、家庭市場向けが同27.9%減の121万台と、ビジネス向けも家庭向けも大幅減となった。

 合計で前年同期比36.0%減の253万台と、前期(2015年1月〜3月)に引き続き大きく落ち込んだ。出荷台数が253万台を下回るのは、1999年第2四半期に246万台を記録して以来のこととなる。同社は出荷台数が落ち込んだ主な要因として、円安により値ごろ感が出せなかったこと、2014年のWindows XPのサポート終了による特需の反動と分析している。

 同社はベンダーごとの動向も発表()。それによると、ベンダー上位5社の出荷台数は、前年同期比3割〜5割減となる大幅なマイナス成長になったという。その中で、日本HPは減少幅が少なかったことから前期より1.0ポイントほどシェアを伸ばし、東芝と同率3位になった。具体的には、日本HPはビジネス市場向けが同29.3%減と他のベンダーと比べてマイナス幅が小さかった。家庭市場向けは同63.1%減だったが、全体では同37.4%減にとどまった。東芝はビジネス市場向けが同44.9%減、家庭市場向けが同36.3%減、全体で同40.3%減少した。

図●2015年第2四半期の国内クライアントPC出荷台数 トップ5ベンダーシェア(出典:IDC Japan)
図●2015年第2四半期の国内クライアントPC出荷台数 トップ5ベンダーシェア(出典:IDC Japan)
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 一方、NEC レノボ・ジャパン グループは、流通在庫に課題があり、ビジネス市場向けで同46.4%減、家庭市場向けで同30.3%減、全体で前年同期比39.2%減。富士通は、利益重視の戦略から、無理な出荷を避けたものの、ビジネス市場向けで同53.2%減、家庭市場向けで前年同期比39.3%減、全体で同47.7%減となった。いずれも出荷台数が大幅に落ち込んでいる。デルもビジネス市場向けでは、中堅中小企業の不調が響いて同51.6%減、家庭市場向けでは同30.6%減、全体で同47.5%減となった。

 同社は、2015年第2四半期は非常に厳しい市場環境となったが、ビジネス市場が回復基調に向かうと分析。ビジネスで利用しているPCの稼動台数が減っているわけではないので、再び買い替え需要が増大する時期がくると指摘している。あわせて家庭市場でもWindows 10による需要喚起が期待できると指摘した。

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