図●プリンター(出力機器)世界市場予測
図●プリンター(出力機器)世界市場予測
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 シンクタンクの矢野経済研究所は2015年8月6日、世界のプリンター市場に関する調査結果を発表した。それによると、2014年度の世界のプリンター出荷台数は、1億898万5000台に達し、2015年度は前年度比102.0%の1億1116万4000台にまで拡大する見込みとなった()。2014年度の出荷金額は、メーカー出荷ベースで6兆6470億円。2015年度は、同101.7%の6兆7620億円になると予測した。

 同社は、世界のプリンター市場の動向について、2014年度は北米市場で需要の回復が見られたものの、欧州市場には先行き不透明感があったことを指摘。中国や新興国の市場でも経済成長に減速が見られたことなどからプリンターの出荷台数が伸び悩んだと分析した。2015年度は原油価格の下落などにより、主要先進国・地域でのIT投資が回復しつつあり、プリンター市場にも追い風になるという。

 そのことから、2014年度から2018年度にかけてのプリンター出荷台数の年間平均成長率(CAGR)を1.2%と算出。2018年度には1億1450万台にまで拡大すると予測。同じ期間のプリンター出荷金額の年間平均成長率をマイナス0.2%とし、2018年度には6兆5895億円とほぼ横ばいとなると分析した。

 オフィス向けのインクジェットプリンターの市場動向についても調査した。それによると、2014年度には新しいサービス開始などにより認知が拡大し、ランニングコストなどの面ではレーザープリンターよりも評価されたと指摘。国内市場においては、SMB(中小企業)での新規導入、増設が増加傾向にあるほか、大手企業でもサブマシンとして導入するケースが増えているという。それらを背景に、2014年度の国内出荷台数(メーカー出荷ベース)は50万台で、2015年度には同160%の80万台に達すると予測。その後も高い伸び率を示し、2014年度から2018年度までの国内出荷台数の年平均成長率(CAGR)を24.5%と算出し、2018年度には120万台にまで増加すると分析した。

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