図●国内EAソフトウェア市場 売上額予測: 2014年~2019年
図●国内EAソフトウェア市場 売上額予測: 2014年~2019年
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 調査会社のIDC Japanは2015年8月4日、国内のEA(Enterprise Applications)ソフトウェアに関する調査結果を発表した。EAソフトウェアとは、Enterprise Resource Management(ERM)やCustomer Relationship Management(CRM)、Supply Chain Management(SCM)と製造管理の各ソフトウェアの総称。今回の調査によると、2014年の市場規模はWindows XPサポート終了にともなう消費増税直前の中小企業の駆け込み需要と、製造業など主要産業の業績が好調だったことから、前年比4.3%増の3155億8300万円に達した。同社では、2014年~2019年にかけて、同市場が年平均4.0%で成長すると分析。2019年には3837億100万円にまで拡大すると予測した。

 同社は、ソフトウェアごとの動向も分析した。市場の約6割を占めるERMソフトウェア市場は同4.3%増の1849億1000万円、CRMソフトウェア市場は同3.1%増の648億7500万円、SCMソフトウェア市場は同4.8%増の339億4300万円となり、いずれも前年比で微増だった。最も高い成長率を示したのは製造管理ソフトウェア市場で、同5.9%増の318億5500万円に達した()。

 一方、国内EAソフトウェア市場におけるSaaSの利用では、4市場の合計で258億3500万円で、国内EAソフトウェア全体の8.2%の規模になった。

 同社では、2020年の東京オリンピック/パラリンピックに向けた事業投資が2015年~2016年に増加し、システム投資はその翌年の2017年まで続くと分析する。この間、特に成長が期待されるのはCRMソフトウェア市場で、年平均 5.8%で好調に市場規模が拡大していくという。

 同社は国内のEAソフトウェア市場について、成熟度が高いものの税/法制度対応と経営指標の可視化など、常に刷新需要が存在する比較的安定した市場と指摘している。

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